「やる気が出ない朝」の制作過程
フレームブレイクとは、キャラクターの一部を枠から飛び出させることで、奥行きや迫力を演出する構図のことです。 名前はあまり知られていませんが、イラストやゲームのキービジュアル、サムネイルなどで見かける機会は意外と多い演出でもあります。
本来は動的な場面をメインに使われがちな表現ですが、キャラクターイラストでは背景をシンプルにまとめつつ画面にメリハリを付けられるため、 静的なイラストであってもよく取り入れています。
フレームブレイクについては別の記事で詳しく解説する予定ですが、今回は細かな解説は控え、ラフから完成までの制作過程を中心に紹介していきます。
ラフ制作
今回はやる気が出ない寝起きの朝(雨)をテーマに、キャラクターイラストを制作していこうと思います。 対象はオリジナルキャラクター「看板娘ズ」の「楓」です。
※最近「看板娘ズ」のキャラクター名を正式に考えました。4人のキャラクターの立ち絵が出来上がったらまとめて発表したいと思います。
リード文で触れたように、フレームブレイク演出もとい枠から飛び出す構図を使用していきます。
動的なイラストを使用するのが一番効果的な演出ですが、キャラクターと背景のレイヤーを明確に分割できるため描きやすく、
静的なキャラクターイラストの場合でも、なるべく低コストで描こうと思う場合は効果的な演出となります。
色の設定
キャラクターや小物の色を付けると同時に、ラフ制作の段階で窓枠を配置することを考えていた場所に、窓とカーテンを簡単に描きました。 雨でアンニュイな設定を盛り込む予定なので、曇っていて雨が降っている外の様子が見えるように窓の要素を出せるように配置しています。
今回のテーマに合うように、全体的なコントラストを低めにしています。
顔の付近に目線が行く様にコントラストが高いマグカップを作り、それを顔付近に寄せています。
線画、清書
色を置いたラフをもとに線画の作成と、背景のディテールアップを行っています。
今回はコストをあまりかけないキャラクターイラストの予定なので、この段階で背景をほぼ確定させてしまいます。
曇っていて、雨が降っている要素というのがわかる範囲で描写を止め、キャラクターのイラストに力を入れていきます。
ラフまでは目線をマグカップに向けていましたが、表情に力を入れて制作したいと思っていたので、 よりぽけーっとした印象になるように目線を上にあげるように修正しています。 またそれと同時に、このキャラクターにしてはたれ目過ぎたので、その部分も修正をしています。
イラストの完成
線画段階からだいぶ過程が飛んでしまいましたが、キャラクターの全体を描き込み、背景を少し改善して、今回のイラストの完成となります。
今回特にこだわった部分は、いつもよりぼさぼさの髪の毛と、ぽけーとした表情になります。
髪はやる気がでないので、整えるのを後に伸ばしているといった感じを表現しています。口については半開きにするか悩みましたが、
愉快な方向性のキャラにするつもりはないので、少しクールさを残しての表情に留めました。(よだれは垂らしているけど……)
眠気の記号的表現も使用していますが、こちらも今回試してみたかった部分になります。
固い印象の絵が多くなってしまって気軽な絵が描けなくなるのも嫌なので、今後こういった記号を用いたポップ寄りのイラストも増やしていきたいです。
今回はフレームブレイクを取り入れたキャラクターイラストの制作過程をご紹介しました。
フレームブレイク自体の考え方や構図の作り方については、別の記事で詳しく解説する予定です。
公開した際は、こちらのブログでもご紹介しますので、興味のある方はぜひご覧ください。
次回はイラスト依頼の際のラフについて詳しい解説記事を書くつもりです。興味のある方はぜひご覧ください。