制作過程:同人音声のジャケットイラスト制作サンプル|看板娘ズ

看板娘ズの同人音声ジャケットイラストサンプルと記事タイトルを掲載したアイキャッチ画像
今回はラフ工程に重点を置いた、同人音声ジャケットイラストの制作サンプルをご紹介します。

以前の記事「イラストのラフはどこまで描かれる?修正できる範囲と依頼前の注意点」では、 ラフ画がどのような役割を持つのか、どこまで描き込まれるのかについてご紹介しました。

今回はその実例として、同人音声のジャケットイラストを想定した制作サンプルを、 制作実例を用いてラフ工程に重点を置く形でご紹介します。

ジャケットのキャラクターとして、『看板娘ズ』のカエデを選びました。ホームページのトップページに設定している画像と同一のキャラクターです。

大ラフから詳細ラフ、下書き、線画、そして完成まで、一通りの工程を追いながら、特に「ラフの段階でどこまで詰めているのか」を実際の制作物とあわせてご覧いただきます。

同人音声のジャケットイラストを検討されている方にとって、依頼から完成までの流れをイメージする参考になれば嬉しいです。

今回のサンプル制作について

今回のイラストは、同人音声のジャケットを依頼された場合の制作イメージをお伝えするために、サンプルとして制作したものです。

題材には、『看板娘ズ』のカエデを選びました。カエデは、当ホームページ運用の補助(トップページの画像や説明用のミニキャライラストなど)を担当してもらっているキャラクターの一員です。現時点では、まだ立ち絵になっていないキャラクターも含め、4人を想定しています。

同人音声のジャケットには、タイトルやCV、アイコンといった文字要素を配置する必要があります。そのため、構図の段階で「どこに何を置くか」まで想定しておくことが、完成度を上げるポイントの一つです。

また、表情や小物といった部分は、キャラクターの魅力を伝える表現の要素であったり、状況を伝える表現の要素であったりします。

今回は、この「構図の設計」と「キャラクターの魅力の伝え方・状況の伝え方」を分けて考えながら進めました。

完成後に「思っていたのと違った」とならないよう、ラフ工程でしっかりと計画を立てていきます。

そこで今回は、以前の記事でご紹介したラフの考え方を、実際の制作物に落とし込むとどうなるのかを、いつもより詳しくお見せしたいと思います。

今回はラフ工程を重点的にご紹介します

以前の記事では、ラフ画がどのような役割を持つのか、どこまで描き込まれるのかを中心にご紹介しました。

今回はその内容を踏まえて、実際の制作物ではラフ工程がどのように進んでいくのかを、いつもよりも詳しくお見せします。

大ラフから完成までの制作工程を並べたコラージュ画像
大ラフ→ラフ→詳細ラフ→線画→完成まで、今回はすべての工程をお見せします。

それでは、大ラフから順に見ていきましょう。

大ラフ〜ラフの工程

大ラフ

大ラフは、大まかな構図と作品全体の雰囲気を決めるための工程です。 今回は看板娘ズのキャラクターデザインがすでに決まっていたため、キャラクターデザインの工程は飛ばし、構図・シチュエーションの検討から着手しています。

今回のジャケットイラストは、隣で作業音が聞こえてくるような作業用BGM(ASMR)の表紙を依頼されたことを想定し、 このシチュエーションに沿った構図を意識して大ラフを作成しました。

依頼内容(サンプル)
今回、想定した依頼内容(サンプル)です。作業用BGM(ASMR)の表紙というシチュエーションを設定しています。

大ラフには、次の3パターンを作成しています。

パターン 構図の特徴
① 隣に座り、話しかけてくるキャラクター
② 隣に座り、作業に集中しているキャラクター
③ 隣ではあるものの、机の角を挟んだ正面寄りの構図。①と②とは別パターンを提示するために作成
大ラフの3パターン
今回の依頼に対して、3つのパターンを作成

今回は、この中から①の「話しかけてくる構図」に決定したと想定し、次のラフ工程に進みました。

もし制作を進めてほしいと感じた大ラフがない場合は、別の大ラフを追加する指示をしてください。 なおその際は、なぜピンとこなかったのか、どういったラフを求めているかの具体的な案や参考資料も添えて指示出しをお願いいたします。

できれば、大ラフに着手する前のアイデア共有の段階でお伝えいただくのがおすすめです。他の工程に使える時間が増え、結果的に全体のクオリティアップにもつながります。 複数の構図案で悩んでいる場合は、絞り込むために複数のラフを頼んでみるのもおすすめです。

※大ラフなら問題ないですが、詳細ラフの段階までのラフを複数頼む場合は、金額的に要相談。

看板娘ズの大ラフ画像。話しかけてくる構図に決定
今回は①「話しかけてくる構図」に決定しました。

このように、大ラフの段階では複数の構図案からクライアント様に選んでいただく工程を設けています。 反対に、構図やシチュエーションのイメージがすでに明確に決まっている場合は、大ラフの工程自体を省略することもあります(あらためて作成する必要がないためです)。

もちろん、構図のイメージが具体的に定まっていない場合でも、キャラクターの設定や音声の内容を踏まえて、こちらから構図をご提案することも可能です。

なお、ポーズの細かい部分や全体のバランスの調整は、次のラフの工程で詰めていきます。

ラフ

次のラフでは、表情や服装、ベースカラーなど、キャラクターの設定面を描き込んでいきます。 看板娘ズのカエデらしさが伝わるよう、この段階で方向性をすり合わせます。すり合わせ内容は次の通りです。

主に確認するのは、キャラクターの外見と内面の両方です。外見については、髪型・目の形や色、服装、身に着けている小物などを、三面図(キャラクター設定)を参考に描き起こします。

ポーズや表情については、キャラクターの性格に合わせて表現していきます。

看板娘ズのラフ画像。表情や服装、ベースカラーを確認する段階の修正前
ラフの段階で、表情・服装・カラーの方向性を確認します。(修正前)

表情やポージングは、外見以上にすり合わせが必要な部分です。外見は設定があれば齟齬が起きづらいですが、表情やポージングにはキャラクターの内面が表れます。

キャラクターの内面は、それを設定したクライアント側にしか分からない情報です。イラストレーター側は、伝えていただいた情報からしか判断できません。そのため、この段階でどのような表情・ポーズにしたいかを、しっかりお伝えいただけますと幸いです。

修正の指示を出す際は、「なんとなく表情が違う」といった曖昧な伝え方ではなく、「もう少し口を大きく開いた表情で笑わせてください」のように具体的に伝えましょう。

必要であれば、赤ペンなどで直接修正を書き込んで共有していただいても構いません。

看板娘ズのラフ画像。表情や服装、ベースカラーを確認する段階の修正後
ラフの段階で、表情・服装・カラーの方向性を確認します。(修正後)
看板娘ズのラフ画像。修正前と修正後の比較
修正前後の比較です。今回は顔回りに修正が入ったと仮定しました。

このラフでは、以下の点に修正が入ったと仮定して制作しました。

  • ・口を大きく広げすぎているので、通常の会話程度の口の開き方にしてほしい
  • ・アホ毛が短すぎるので、倍の長さにしてほしい

修正の伝え方は、 以前の記事「イラストのラフはどこまで描かれる?修正できる範囲と依頼前の注意点」でも触れていますので、 ぜひ参考にしてください。

詳細ラフの工程(こだわりポイント解説)

今回のように小物が多く登場するイラストでは、ラフの次に「詳細ラフ」の工程を挟んでいます。

詳細ラフ:人物の手と小物のディテール追加

詳細ラフでは、人物の手の形や、配置した小物のディテールを詰めていきます。 手に持つものがある場合、持ち方や角度によって不自然に見えてしまうこともあるため、この段階でしっかり確認しています。

こだわりのある小物があれば、最初のイメージ共有の際に、小物の写真などを用いて指示をしてください。 その指示内容を元に小物を描画いたします。

なお、共有していただいた画像が特定ブランドの製品を想起させる場合、それを参考にした小物のイラストが問題になることがあります。

一般的な工業製品であれば問題ありませんが、特徴的なデザインの小物を参考にしたい場合は、異なるデザインの写真を複数用意し、組み合わせてご指示いただくことをおすすめします。

詳細ラフ。人物の手と小物のディテールを追加した段階
詳細ラフでは、手の形と小物のディテールを詰めます。

※内容によっては、この詳細ラフの工程自体を省略する場合もあります。

ここまでがラフ工程になります。もし大きな修正のご希望がある場合は、この段階までにお伝えいただけますと、その後の制作をスムーズに進めることができます。

下書き〜線画・着彩の工程

下書き

ラフ・詳細ラフで詰めた内容をもとに、線を整理しながら清書の準備を進めます。

看板娘ズの下書き画像
下書きでは、ラフで詰めた内容をもとに線を整理していきます。

線画・着彩

下書きをもとに線画を仕上げ、着彩へと進みます。ここまでの工程でしっかりすり合わせができているため、線画以降は大きな方向転換なく進めることができます。

看板娘ズの線画画像
線画の段階です。ここから着彩に進みます。

完成/制作を通して意識したこと

看板娘ズの完成イラスト
完成イラストです。

修正の指示や気を付けることなど、制作実例をもとに、改めて再確認することができたのではないでしょうか?

大ラフ・ラフ・詳細ラフと、通常よりも工程を分けて丁寧にすり合わせを行うと、完成まで大きなイメージのズレなく進めることができます。

特に同人音声のジャケットは、キャラクターの魅力と、タイトルやCVなどの文字要素が両立するデザインが求められます。 構図の設計と、表情・小物といった表現部分を分けて確認できたことも、今回の制作で意識してよかった点です。

同人音声のジャケットイラスト、承っています

今回ご紹介したように、紙月井塚では同人音声のジャケットイラストのご依頼も承っています。

完成イラストにタイトル・CV・アイコン・シリーズ名の配置枠を重ねたジャケットレイアウトイメージ
タイトルやCVなどの配置イメージ(枠のみ)です。シリーズ名のロゴなど、専用の意匠が必要な場合はご相談ください。

成人向けの同人音声ジャケットにも対応可能です。これまでにも何点か制作実績がございますが、内容の都合上、現在のホームページには掲載できておりません。気になる方は、お問い合わせの際にお気軽にご相談ください。

同人音声のジャケット依頼、いかがですか?
今回のようにラフ工程を丁寧に重ねながら、キャラクターの魅力が伝わる一枚に仕上げます。

まとめ

  • ・今回は同人音声ジャケットの制作サンプルを、ラフ工程に重点を置いてご紹介しました
  • ・大ラフでは、想定するシチュエーション(ASMR)に合わせて3パターンを作成し、その中から構図を決定しました
  • ・構図のイメージが明確な場合は大ラフを省略することも、逆に構図が決まっていない場合はキャラクター設定や音声の内容をもとにご提案することも可能です
  • ・詳細ラフでは、手や小物のディテールを確認します(内容によっては省略する場合もあります)
  • ・大きな修正は、ラフ工程までにご相談いただくとスムーズです
  • ・成人向けの同人音声ジャケットにも対応しています

このブログ記事を最後まで読んでいただいた方へ

「こんな雰囲気のジャケットを描いてほしい」「自分の場合はどんな流れになるの?」など、気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

構図のイメージがまだ固まっていない場合でも、キャラクターの設定や音声の内容からご提案できますので、その点もあわせてご相談ください。成人向けのご相談も歓迎です。

料金シミュレーターもご用意していますので、依頼を検討する際の参考としてぜひご活用ください。

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